アメとムチは効果が高くはない
個人の創造性を外発的に伸ばすことは出来るのだろうか。
ドゥンカーはロウソク問題の心理的実験に明らかにしようとした。
早く解けたものには報酬を与えると条件をつけたら、通常よりも平均で3-4分遅くなってしまった。つまり報酬を予告することによって、問題解決する能力は向上するどころか低下してしまった。同様の研究が128件分析されたが同様な結果であった。
報酬予告は面白そうと行って挑戦する、内発的動機付けを低下するという結果が出ている。報酬予告をした場合、予想しうる精神面での損失を最小限に抑えようとしたり、出来高払いの発想で努力しようという発想に陥る。
ビジネススクールで教鞭をとっていたゲイリー・ハメルは"ビジネスで過去の延長にはない斬新なイノベーションを成し遂げたスタッフには手厚く報いなければならない。斬新なイノベーションを実行すれば、会社は必ず手厚く報いることをスタッフに明確に知らしめる必要があるのだ。
一方ムチはどうなのか、それもまた逆効果らしい。ムチは挑戦者に必要なセキュアベース(確実ななにか)を奪ってしまうことが明らかになっている。セキュアベースがあるから不確実な何かに挑戦できる。
結論、アメもムチも有効ではなく、リスクを冒すのはアメが欲しいからでもなく、ムチが怖いからでもなく、ただ単に"そうしたいから"ということである。