zumafish's diary

忘れたくないこと

男性は情緒的か?

マーケティングの世界では女性が商品を選ぶとき、その理由は8割が情緒的なもので合理的なものは2割に過ぎないとされている。"ママがいつもこのブランドだったわ""これはこの近所の家族が載っている車ね"といった具合に、コンディショナーやメイクアップ化粧品、或いは洗剤に対して女性は大抵情緒的に反応する。そして情緒的な決断を合理的な理由で補う。というわけで女性向けの広告はノスタルジアや不安、羨望などの情緒に訴えるものが多くなる。かたや男性はその逆で理由の2割が情緒で、8割は合理的ということが常識であった。現に男性向けの商品には、商品スペックがガッツリ入っており、合理的で数量的な正当性を与える。

だが男性消費者は変化し、現在では必ずしもそうではない。下着や制汗剤、髭剃りのCMはスマートな男が男らしさを押した広告を作っている。女性だけでなく、男も情緒的な生き物である。

その違いは、男性は商品の特徴や仕様を表向きの理由にして、自分の情緒的な理由を隠そうという点である。P&Gは男性化粧品と女性化粧品を店内の違うコーナーの棚に並べた。口紅を選んでいる女性の隣で、男性客がフェイシャルクリームなどを選ぶことに、気後れや恥ずかしさを感じさせないようにする配慮からだ。こうしたお店は目まぐるしく売り上げを上げた。現に数字的にも1995年には一人で買い物をする男性わずか53%だったのに対して2010年には75%まで増加していおり、男性が自分の買い物に女性の意見を求めるというイメージが大きく変わり、自分の買い物への知識を密かに確立している。